≪IFA2014レポート≫サムスンの描くロボット掃除機の未来像


サムスンのブースに行くと、掃除機、洗濯機、食洗機、冷蔵庫、テレビ等々、力の入った展示ばかり。その中の1つがロボット掃除機。それは、「思った通り動いてくれない」という従来のロボット掃除機の欠点をカバーする機能を持っていました。

サムスンVR9000の外観。回転ブラシがなく、直接掃除機のヘッドをつけたようなイメージ。

サムスンVR9000の外観。回転ブラシがなく、直接掃除機のヘッドをつけたようなイメージ。

いろいろな定義づけをされるロボット掃除機ですが、共通した認識は「2台目の掃除機」ではないでしょうか。つまり、高いお金を出してロボット掃除機を買っても、必ず自分の手で掃除をしなければいけないということです。それはゴミの吸い残しが必ずあるということでもあります。不在時に90%以上きちんとゴミを掃除。万が一、ゴミの吸い残しを見つけた場合でも、命令すると吸い残しを吸ってくれるなら、「ロボット掃除機だけで良いか」と考える人が出てくると思います。しかし現実はそうではありません。だから、ロボット掃除機は「2台目の掃除機」と言われるのです。

■レーザーポインターで指示して取り残しなく
サムスンのロボット掃除機VR9000は、レーザーポインターを追いかけていることが分かります。従来のロボット掃除機は、ナビゲーションシステムがどこまで吸い込めるのかを決めていました。しかし、それで取り切れなかった場合は、ゴミが残ってしまいます。あとは残念ながら人の手で、他の掃除機を使って・・・が基本でした。しかし、VR9000はそうではありません。残ったゴミに対し、レーザーポインターで道のりを示してやれば、お掃除ロボットがそれを追いかけて吸い取ってくれるのです。人は、オーケストラの指揮者のように、指示をするだけ。もしかすると、ロボット掃除機1台で事足りる可能性が見えてきたのかも知れません!

■ゴミかき寄せブラシがない!
従来のロボット掃除機のもう一つの大きな特徴は、クルクル回るゴミかき寄せブラシでしょう。道路清掃車が、道端のゴミをかき寄せるために使うブラシにそっくりです。ところがVR9000にこれはありません。その代わりになるのが幅311mmと大口径のゴミ吸い込み口です。吸い込み口のブラシでゴミを掻き上げるのは、他社のモデルと似ていますが、こちらはサイクロン式でゴミを吸い込む構造です。

左:裏返してみるとそのまま掃除機のヘッドが付いているよう。右:ブラシは簡単に外せてお手入れも簡単。

左:裏返してみるとそのまま掃除機のヘッドが付いているよう。右:ブラシは簡単に外せてお手入れも簡単。


要するにブラシの代わりに、従来の×60のパワーのモーターで吸い取ろうというわけです。
VR9000をイメージした巨大なオブジェ。従来比60×であることをアピール。

VR9000をイメージした巨大なオブジェ。従来比60×であることをアピール。

これに不可欠な技術、デジタルインバーターも、今回片隅に展示されていました。ちなみにナビはマッピング型です。

デジタルインバーターが冷蔵庫、洗濯機などにも使われていることをアピール。

デジタルインバーターが冷蔵庫、洗濯機などにも使われていることをアピール。

■その他の掃除機の展示
コードレス型の掃除機です。大小2モデル。
CORDLESS掃除機

ハンディクリーナー。日本のある会社のモノかと思った位、デザインが近しい。これはスティック型掃除機との合体も可能です。
そうじき02
(多賀一晃)

2014年09月16日(火曜日)