≪IFA2014レポート≫生活の中でのディスプレイの新しい使い方を提案する東芝ブース


日本メーカーの中でも高画質にこだわる東芝のディスプレイ。その技術が、生活の中でどんなことに使えるかを、ブースの展示で見ることができました。

東芝のテーマは、テクノロジー(Technology、技術)とライフ(Life、生活)の融合、“Lifenology”です。正直、感覚的にはわからなくもないのですが、いざ「説明して!」と言われると難しそうです。しかし、メーカーとは本来、その商品で意志、思想を語るものです。ということで、東芝の展示から、東芝が何をしたいのか読み解いてみましょう。

東芝ブースのテーマは“LIFENOLOGY”。

東芝ブースのテーマは“LIFENOLOGY”。

東芝は今回、大きく分けて5つの展示をしていました。まず、4Kの大画面によるリビングホームシアター、次に高精細な5K大画面テレビ。

高精細5K大画面テレビ。

高精細5K大画面テレビ。

あとの3つはすべてディスプレイが、ミラー(鏡)の後ろにあり、ミラーを通して表示するタイプのものでした。

鏡にプレスのメンバーが映っているが、中央奥の赤いバラは鏡の奥のディスプレイから映し出されている。

鏡にプレスのメンバーが映っているが、中央奥の赤いバラは鏡の奥のディスプレイから映し出されている。

■鏡であることの意味
まさか、ディズニーの「不思議の国のアリス」のアニメを流し、これが続編だよというわけではないでしょう。実は私が初めてヨーロッパで降り立った国は、オランダでした。スキポール国際空港から、クルマでホテルに向かったのですが、まずビックリしたのは、ビルの壁面。これでもかという位に、ガラスと鏡が使われていました。次にホテルに入ると、やたらキラキラ感があります。いろいろな所に鏡があるのです。そして朝食時。トースターからコーヒーメーカー、そしてお皿全部が金属で、これまたピカピカ。黒塗りのお櫃などで出されるお米に代表される日本とは、ずいぶんと異なります。ある意味ヨーロッパで鏡は、どこにでもあるものなのです。

対してディスプレイは、映像が映っていない時には単なる黒い四角の物体です。壁に取り付けてあっても床に置いても、使わない時はただの黒い物体。たとえば、1日に3時間テレビを見るとします。残りの21時間は無用な黒の物体なわけです。これをインテリアとして認められている鏡の奥に隠すわけです。鏡は1つの部屋に複数個あっても困らないので、情報ごとに区分けしても構いません。1つの例としてキッチン。キッチンに鏡!!と思いましたね。どうしてかと言うと、これからは四方に壁のないアイランド型のキッチンが流行ると言われていますので、違和感を覚えたわけです。むしろ、鏡ではないですが、使わない時には隠せるディスプレイだったら、大歓迎でしょうね。何てたって、顔を上げれば「レシピが見られる」のはありがたいです。

左:IHヒーターの前に鏡があって・・・。右:手をあげると黄色い部分のセンサーがキャッチ。操作が行える。

左:IHヒーターの前に鏡があって・・・。右:手をあげると黄色い部分のセンサーがキャッチ。操作が行える。

たとえば、手を動かせば、センサーがキャッチ。次のページへめくれるなんて嬉しい限りです。手が濡れていて、レシピ本がめくれないなんて日常茶飯ですから。

■8Kのデジタルサイネージ
続いて感心したのは8Kのデジタルサイネージです。実は、これ55インチのハイビジョンテレビ16台から構成されています。ハイビジョンは2Kですから、それを一辺4台並べていることになります。つまり合計して8K相当。安価にできるという意味から、これは有効ですね。

16台のハイビジョンテレビを組み合わせて8K相当に! 非常にきれい。

16台のハイビジョンテレビを組み合わせて8K相当に! 非常にきれい。

やりようによっては、16K対応も可能かも知れません。安いモノを組み合わせて効率を上げる。これはイイ着眼点です。(多賀一晃)

2014年09月17日(水曜日)